Rocco's log ~プログレ好きの警備員 trader with 社労士~

社労士試験、投機関連(大阪金先物が中心)その他諸々。このブログのトレードに関する箇所は、僕の勝手な相場観を書いています。価格も僕の予測に過ぎません。内容の正確さに最善は尽くしていますが、一切の責任を負うものではありません。売買は必ずご自分の判断で行って下さい。また、記事中で氏名の敬称は原則として省略しています。ご了承ください。

金融庁の2000万円報告が、

政治屋を慌てさせている。面白い。未見の人は今日の中日新聞1面左上の図を見て欲しい。見てすぐに分かるのは、厚労省のモデル世帯を基準にしているのだろうということ。記事には「30年で約2000万円不足」とあるので、この図にあるような金額を65歳から受給する前提だろう。となるとこれは割と条件の良い世帯、ということになる。ご存知のように、モデル世帯は夫婦が40年間、公的年金にきちんと加入している想定だからだ。一般人の感覚からすると、このような数字はかなり以前から雑誌や書籍で出回っており、「今更驚くに値しない」という人も多いのではないか。

さらに、ここぞとばかりにFPのセンセイ方が様々に解説されている。中には「まさにその通り」というスタンスで提灯記事を書いているFP(僕はこういう人を「良い子」と呼んでいる)もいらっしゃる。その中で面白かったのは「では、FPのセンセイは、自分の将来に備えて、幾らぐらいもらえるように年金の設計をしているのか」を著名なFPに聴いた記事だ。皆さんさすがにきちんと設計されているが、それを読んでいて自分のことが心配になってきたので、ちょっと調べ直してみた。僕の場合は当初、75歳で人生終わり、という感じで設計していたので、75まではそれなりに厚くしてあるのだが、その先はちょっと寒々しい。今の計算だと恐らく、少なくとも3~4万円は足りなくなるだろう。

友人のFPは、75歳までの年金の一部をつかわずに貯めておいて、それを75歳以降にまわせ、とカンタンに言うが、あるならあるだけつかってしまう僕の性格を知らないのか。

僕はサラリーマンじゃないので、安定的な貯蓄と言うものが出来なかった。そのせいもあり、稼いでいた時は貴金属投資に、近年では不動産投資にツッコんだ。幸いいずれも家計を相当助けてくれた。しかしその果実の相当部分は二人の子供の教育資金に消えてしまった。以前にも書いたか、講義で話したかしたが、合わせて約1700万円かかっている。我が国の高等教育にかかる費用の高さは狂気の沙汰である。僕はサラリーマン時代に高等教育を行う学校法人の法人本部に2校在職している。高等教育にかかる人件費の高さについてはそれなりに心得ているが、まぁ、一言で言うと、世間の常識とはズレている。皆さんも、例えば有名な作家や評論家が、ある日気が付くと○○大学教授になっていたことに気付いたことがあるだろう。作家や評論家のままでは安定しないが、大学のセンセイに収まってしまえば、収入の安定度は格段に増す。

話しが逸れたが、我が国の年金基金はなぜ貴金属市場や株式市場からあれほど距離を置いていたのだろう???   いつを起点にするかにもよるが、米国株は1990年比で恐らく10倍にはなっていると思う。ゴールドの現物は、米国株ほどではないにせよ、ここ20年で5倍程度になっている。欧米の年金基金のように少しだけ勇気と信念を持ってマーケットに立ち向かっていれば、得られた果実はそれなりのものがあったのは、歴史が証明している。しかし、残念ながらそれはもう「歴史」なのだ。

金融庁の報告書をまとめた一人、みずほ総研の高田氏は「こういう統計があることを前提に、これからどうすれば良いか議論しただけなのに」と反発の大きさに当惑を隠せない、と記事にはある。まぁ、当たり前の事を当たり前のように言い過ぎたのが悪かったのか。

では、今現在20~50代くらいの人はどうすれば良いのだろう。僕がやってきた、ドルコスト平均法による貴金属の現物投資は、以前ほどのうま味は無くなったかも知れないが、今でも有効だと思う。先物取引は勧めない。上手くやれば資産を劇的に増やすことは可能だが、トレード技術と資金管理技術を習得するのにかなりの時間と授業料を要するので。現物株式はどうか。その時々の市場のテーマを捉え、株主優待などではなく、きちんと値上がり益を取る事が出来れば面白いが。株の問題点は、市販の書籍など、教材になるべきものが多すぎて、初心者がどれを選択して良いのかが、分かりにくいことだろう。一つはっきり言えることは、本を買ったりセミナーに参加する時は、単なる評論家ではなく、自分でも実際に取引をしている人(トレード成績をきちんと公開している人)の話を聴くこと。そういう人からでないと、本当のことは学べない。大学の学部やエクステンションで、トレーディングを体系的に教えているところを僕は知らない(南山大学のエクステンションで、以前僕が受けたNTAAの講座は、座学だけで実際の取引は無かった)。