今使っているブローカーのうちの1社、豊CXが、オンライン取引部門をサンワードに移管するというのは、以前もらったメールで知っていたが、それが4月30日に決まった。商品先物各社は、それぞれサービスに特徴がある。今回の移管先は、セミナーの開催実績も豊富で悪くはないが、3大メガバンクからのクイック入金が出来なかったり、ちょっと不便な所もある。情報ツールも今までと異なり、使えなくなるものもあったりして、どう対処するか考えていた。色々と調べたところ、僕が口座を開設しているが、今は遊休状態になっている北辰に同様のサービスがあることを知った。しかし同社のサービスを使うには、定期的に取引をした実績が必要だという(まぁ、会社の立場にすれば、当然か)。そこで久し振りに北辰に入金して取引実績を作り、情報を入手することにした。
オンライン商品先物というと、多くの人は引いてしまう。しかし、今生残っている会社は、2000年代初頭の厳しい法改正基準をクリアしているし、しかもオンラインなので、全ての売買は自己判断、自己取引である。昔のようなダーティなイメージは、僕は持っていない。しかし、難易度の高い取引であることは、昔も今も変わらない事実なので、一般的には避けた方が無難だろう。
原油の先物価格がマイナスとなったことが大きく報道された。正確に言うと、一時マイナスとなったのは、NY原油期近2020年5月限。僕もこのニュースを聞いて海外の電子取引一覧を見たが、中心限月の6月限は20ドルを付けていたので、最初は「何だろう」と思った。
要するにこれは、こうだ。ある人が「原油価格はこれから上がるだろう」と思って原油の先物を買った。ところが思惑に反して価格は下がり続け、コロナ危機が追い打ちをかけた。この人は「明日が納会」という所まで原油の買い持ちを続けたが(普通はこんなに粘らない)、価格は戻るどころか、10ドルも割れてきた。このままだと自分はこの契約を履行し原油を買わなければならない。とても置く場所は無い。そこで「頼むから誰か俺の持っているこの契約を売るから、買ってくれ。プレミアムも付けるから!」ということになってしまった。これを買った人は、原油だけでなく、1バレル30数ドルのプレミアム、というか手数料?も手にしたわけだ。
今回の騒動の背景には、コロナ危機で、原油の需給が大幅にだぶつく、ということがあるのは明白だ。僕も長く取引しているが、こういう状況に遭遇したことは一度もなかった。今までにない形の危機だな、これは。