でも、敗因はわかっている。僕の所には時々、Technical Analysts Journal(テクニカル分析を扱った日本テクニカルアナリスト協会の機関誌)が届く。難しい数式や関数の載った論文が多いのだが、中には僕でも読める、面白い読み物的なものもある(以前は、一目均衡表の特殊な研究や、ローソク足の歴史を扱った興味深い読み物もあった)。
今号には、移動平均線を使った、トレード実務に役立ちそうな記事があったので、直ぐに使ってみようと思い、実行した。これが悪かった。もちろん、書いてある論文の内容が悪いわけではない。悪いのは、1回読んだだけで、咀嚼することなく軽はずみに使ってしまった僕の方である。
まず、1 現在の僕のやり方で上手くいっているのに、わざわざ他のやり方を試す必要があるのか、という点。もう一つは,2 アタマでは良い方法だと思っていても、実際に使えるか否かについて、十分な検証をしてからにすべきだった、という点。
この二つについては十分に考えるべきであった。1 については、現在のやり方よりももっと良い方法があるかも知れない。だとすれば、採用するか否かはともかく、試してみる価値はある。2 については、知っている状態と、使える状態とは異なる。また、すべてのテクニカル手法が、すべての時代、国や地域、銘柄に有効であるとは、必ずしも言えない。したがって、手法が有効か否かは、ある程度使ってみないと何とも言えないことが多い。
ここから、1 のフィルターをクリアしたものは、2 に基づき、ある程度使ってみて結論を出したい、ということになる。今使っている手法に、本格的にとってかわるか否かは別にして。
欧州時間が始まったが、暫くはこの考え方で相場を眺めようと思う。