Rocco's log ~プログレ好きの警備員 trader with 社労士~

社労士試験、投機関連(大阪金先物が中心)その他諸々。このブログのトレードに関する箇所は、僕の勝手な相場観を書いています。価格も僕の予測に過ぎません。内容の正確さに最善は尽くしていますが、一切の責任を負うものではありません。売買は必ずご自分の判断で行って下さい。また、記事中で氏名の敬称は原則として省略しています。ご了承ください。

柳美里『JR上野駅公園口』読了。

この作家の名前も、芥川賞受賞者であることも、知ってはいた。しかし、作品を読んだのは今回が初めてだ。だいぶ前、この作家の作中人物の描写について訴訟になった記事は読んだことがあるが、その関連の記者会見のニュース映像だったかをテレビで見て、勝手にとっつきにくいイメージを頭に刷り込んでしまったのかも知れない。でも、今回この作品を読んで、相当な筆力のある人だ、ということは理解できた(芥川賞以外にも数々の賞を受賞しているので、当然と言えば当然だが)。

今回本作を読んだのは、この作品が全米図書賞を受賞したからだ。2014年に単行本で出ていたようだが、書店に行ったら、今回の受賞で文庫版が平積みになっていた。手に取ってみると、裏表紙に「1933(昭和8)年、私は(平成)天皇と同じ日※に生まれた」とあり、解説を原武史が書いているではないか。これは単なるホームレスの生活記ではないな、とピンときた。読んで行くと、主人公は(平成)天皇と同じ年(※裏表紙の記述は、たぶん、主人公の長男との混同だろう)、長男は現天皇と同年同月同日(1960(昭和35)年2月23日)の生まれである。幼名の浩宮から一字をいただき、長男は浩一と名付けられた。

主人公は2度上京している。最初は1964年の東京オリンピックの前年。会場の建設工事現場で、作業員として従事した。2度目は妻の死後、孫娘に面倒を見てもらっている日々から突然抜け出すように。主人公はこの後、常磐線上野駅まで来てホームレスになるわけだが、これについては ? という感じもある。人はこんなに簡単にホームレスになれるものだろうか。

僕の拙い文章では、天皇制とホームレスがどうつながるのか、判り難いかも知れない。これをつなげるキーワードが「山狩り」だ。この辺については読んでもらうしかないが、僕を含め、多くの人たちのポジションは、P154に出てくる「ダッフルコートを着た大学生風の男」だろう。それはわかっていても、この小説を読む価値はあると思うな。

 

大阪金相場は、1/29の18時台からの5時間半にわたり、100円幅上昇したが、そのほとんどをその後23:45までの30分で消してしまった。全く、時間をかけて上昇しても、下げるのは一瞬だね。ただ、これは後からチャートを見たから言えることで、実際は、20時半、21時半、22時過ぎの3回の買い参入で、計+14円。前記のように、100円の上昇にしては大して取れていない状況ではあるが、今回は誤解を恐れずに言えば、楽に勝ちたかった。いつもなら1円でも多く勝とうと、途中で当初の利食い目標を取消した上で新たに目標価格を設定したりと、玉を張っている時間中は結構やることが多くなる。

最近、こういうことが面倒になってきた。最初の注文時に利食いと損切の値段を合わせて注文したら後は黙って画面を見ていたい、という気持ちが強くなってきた。もちろん、この場合は獲得値幅はどうしても狭くなる。しかし、値幅を欲張ると、それに未達のまま逆行が始まることもある。それよりも、値幅は狭くとも確実に勝ちたい。

もちろんこの場合、勝率をある程度上げないと「コツコツドカン」になりかねない。これに対しては、勝率を上げると同時に、エントリー回数及び枚数を絞ること。そうすれば、資金が劇的に増えることはないだろうが、自由な時間は増える。もっとも、増えた時間は、読書や散歩という、ありふれたことに使うだけだが。最近、このブログに読後感が割と多いのは、この辺りが理由だと思う。