Rocco's log ~プログレ好きの警備員 trader with 社労士~

社労士試験、投機関連(大阪金先物が中心)その他諸々。このブログのトレードに関する箇所は、僕の勝手な相場観を書いています。価格も僕の予測に過ぎません。内容の正確さに最善は尽くしていますが、一切の責任を負うものではありません。売買は必ずご自分の判断で行って下さい。また、記事中で氏名の敬称は原則として省略しています。ご了承ください。

「FXで儲けているのは3割、損失が5割、7割の人が始めてから1年以内に撤退」

と言う記事をシニアガイドで見かけた。「海外FX  wiki」というFX入門サイトが行ったアンケートの結果らしい。今年2月の調査で、男女計1,000人が回答しているようだ。これが中々面白い。

まず、調査時点で「FXを続けているか?」という問いに対し、「はい」が47%、「いいえ」が53%。なのでこれは「調査日以前においてFXをやったことがある人」に対するアンケートなのだろうな。

いずれにせよ、アンケート回答者の半分以上が既にやめている。2020年(特に中盤以降)は株の年だったとはいえ、すでにこの時点ですさまじい結果である。

次に、既に撤退した人に「どのくらいの期間取引していたのか」訊いている。それによると、「半年未満」が約25%。「半年以上1年未満」が約45%。つまり約70%の人が、ほぼ1年の内に撤退している。ちなみにこれを「約2年」まで広げると約85%、「約3年」までだと約92%となる。

この回答はむしろ健全だろう。次の質問で明らかになるが、儲からないところにいつまでもいても、仕方ないからな。

次に「FXをやめた理由」。

これには「損をした。元手を失った」が約34%。「思ったほどうまく稼げなかった」が約17%。つまり回答者の半数は、儲からないのでやめた、と言っている。正直な答えだろう。FX専門誌等では、億単位を稼いだ人が紹介されているが、ああいうのは稀な事例なんだろうな。おそらく、相当の損失、そこからの学習、時間を経て到達したのではないかな。

深刻な撤退理由だと思うのは「本業、日常生活に支障が出たから」と言うもので、これが13%いる。僕も20年以上、商品先物取引をしているが、その中で、一度だけ、明け方まで損失処理に追われ、当時勤務していた不動産屋の営業所長に電話して、出社時刻をずらしてもらったことがあった。日本市場も米国市場に合わせて価格が動くので、米国で活発に取引が行われている時間帯(日本時間の深夜帯)にトレードする者は多い。でもそこで損失を出し、損切しそこねると泥沼にはまり、白々と夜が明けてくるのだ。

今はもう、電話をかけるべき営業所に勤務しているわけでもなく、朝起きられなければ日本時間のトレード機会を逸するだけだ。日常の生活の管理もトレードにおける損失管理も、全て自己責任。それはそれで厳しい世界だ。

アンケートでは、FXを続けている人に対し、続けている理由を訊いているが、その回答で最も多いのは、当然ながら「勝っている、儲けているから」が約38%。あたりまえだ。そのためにトレードしているわけだからな。次に多いのが「楽しい、趣味だから」が約12%。僕は勝ったり負けたりだが、この部類に入りそうだ。もはや趣味の領域かも知れない。嘘くさいのは「経済やお金の勉強のため」という回答が1.7%いる。この目的のためなら、ほかにもっと適切な方法があるはず。投資や投機によって金銭的利益を得るのは、別に悪いことでも、法に触れることでもない。なぜそれを隠す必要があるのか???  他には「損失、教材費、借金を取り戻すため」が約3%。「教材費」が引っ掛かるな。投資教育をうたう機関や個人はたくさんある。でも、良く考えてほしい。本当に儲かる方法があるのなら、僕なら他人には教えない。おそらくこういう教育機関で得られるものは、必勝法よりも、知識や人脈(情報)と言ったものではないかな。こういうところは大体において受講料は高額なので、回答者は、最低限、受講料分くらいはFXで稼ごう、と思っているのだろう。

アンケートでは最後にFXの生涯収支を訊いているが、この答えが、今日のこのブログ記事のタイトルの、「3割」と「5割」の数字になるわけだ(残りの2割は、収支トントン)。シニアガイドでは「老後資金が不足するから、退職金をFXで増やそう」と考えている人は、良く検討するように、と言う言葉で終わっている。まぁ、現実的に考えて、そんなことをする人は少ないだろう。もし自分に1000万円の退職金が支給された場合(住宅ローンは完済、他の借金もないとする)、資金を3分割して、貴金属現物の購入、株式投資に各25%、残りはキャッシュのまま温存、かな。先物口座には入れない。資金量が急変すると自分のトレードスタイルに影響するかも知れないからな。

シニアガイドの記事は、面白く、ためになるものが多い。シニア予備軍でも、読む価値は十分にあると思う。