答えは、「金限日」の日足。ゴールドスポット100という愛称で、2015年に鳴り物入りで登場した商品だ。ほとんどが陰線。相場が上昇するときも陰線で上げているという不気味さだ。
なぜこのような形になっているのか。自分で調べたり、業界の人に訊いたりして、ようやくその理由がわかった。
この商品は、僕が普段手掛けている金の標準取引(1Kg単位)とは異なり、100g単位で売買する。その分だけ割高だ。取引期限がないので、値段が下がっても買い方の投げ売りが入りにくい。まぁ、標準取引よりも気楽に持っていられやすい、ということもあって、価格は下がりにくくなるようだ。
しかし清算値を出すときは、一般的な終値を使うのではなく「理論現物価格」というものを使う。つまり上記の色々な「飾り」を取り払った理論値を出すので、その分だけ(概ね数十円)終値よりも低い値位置に落着くことが多い。
その結果が下のチャートだ。一例をあげると、9/13の金限日の終値は6391円で、標準取引の場合はこの価格がそのままチャート上に採用されるが、金限日では上記の「理論現物価格」を計算し、それを終値として採用するため、51円も下げた6340円となっている(チャート右から2本目の陰線)。9/14の始値は6389円(チャートの一番右)だが、これは上にも書いたように、取引期限がないとか、投げ売りが入りにくいとかの要素を踏まえた価格に戻るため、「理論現物価格」ではない実際の前日の終値である6391円に近いところから取引が始まっている。
いやはや、このチャートを見てしまうと、金限日の取引はしたくなくなるな。慣れた標準取引に戻ることにしよう。