稲葉剛・小林美穂子・和田静香の三氏編、となっているが、大半は小林さんが行った困窮者支援を、日記形式で書いている。
具体的には、昨年の4~7月にかけて、緊急事態宣言下の首都圏を、困窮者支援のために走り回った顛末が書かれている。驚いたのは、福祉事務所や担当窓口の対応の酷さ。
福祉の窓口を訪ねて行った人が水際作戦で帰される、と言う話を時々聴くが、その実態が詳しく書いてある。ここは読む価値あり。行政側は、「違法スレスレ」ではなく「完全に違法」な方法や発言で受付を拒もうとする。また、申請者一人で行政を訪ねたときと、議員、ジャーナリストや状況をよく知る同行者と共に相談に行ったときの、あまりの対応の違い。国会答弁で批判を受けた安倍の「ご飯論法」をものの見事に下っ端の役人が真似ている。その実態が詳述されているので、興味のある方は是非読んでみてほしい。
それから、この本でも入管の話がちょっとだけ出てきたが、今回の総選挙で与党が勝利したので、サンダマリさんの一件も、動画や資料の全面公開も含めて、難しくなりそうだな。人の話をよく聴く首相が、どこまで聴いてくれるか、だな。