rocco's log ~the 社労士 trader~

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『怪獣生物学入門』(倉谷 滋 著  集英社インターナショナル新書)読了。

「本書は、日本の怪獣映画を中心にしたモンスターをできる限り科学的にとらえ、考察」したものだ(P3)。著者は理化学研究所の主任研究員(もっとも、理研で怪獣を研究しているわけではない)で、僕と同年代だ。この年代の男連中にとって、怪獣はいわば共通言語。僕も本書に出てくる怪獣は、ほぼすべて知っていた(だからどうした、と言われそうだが)。

本書の内容を、ほんの少し、簡単に紹介しよう。その前に、本書は、映画畑の人が考え出した怪獣を学者が生物学的に解説するのだから、まず、こうした前提を受け入れて、一緒に遊べる読者であることが必要かもしれない。

1 ゴジラにはなぜ自衛隊の武器が通用しないのか(P44)

ゴジラ2000ミレニアム』(1999年)で、「オルガナイザーG1」という細胞内小器官の存在が明らかにされた。細胞がどんなに損傷しても、このオルガナイザーG1がすぐに細胞を修復してしまうのだ。著者はこの件について、この後かなりのページを割いて解説しているので、興味のある方は本書を読んでほしい。僕はこのくだりを読んだとき、手塚治虫の『ノーマン』を思い出した。これにも同様の細胞からなる異星人が登場したからだ(ちなみに『ノーマン』は、人類がなぜ月に行こうとしているのか、についての答えを教えてくれる)。

2 ゴジラに勝った唯一の怪獣は?(P71)

これまでゴジラと戦って、ゴジラを倒すことができた怪獣はモスラだけである。これは多くのファンが知っているだろう。では、モスラの表記は、というと Mothra  である。何かをイメージしないだろうか。そう Mother  である。著者も、モスラの中に、母を見出す向きは多い、と書いている。しかもモスラには、その存在が人格化したような「小美人」が付いている。

ゴジラは怪獣王であり、キング・コングを含めたあまたの男性的怪獣に負けるわけにはいかないが、モスラには負ける価値が十分にある。それはゴジラが「男の子」だから(P72)というのが著者の見解だ。

3 ギャオスにオスはいない(P103)

ギャオスは単為生殖をおこない、個体全てがメスである。平成ガメラシリーズで明らかにされたが、超古代文明人(本書では「アトランティス人」)は、何らかの必要があってギャオスを作り出したが、それが思惑を外れて凶悪化して増殖したため、それに対抗するための天敵として、ガメラを作り出した。この点については『ガメラⅢ 邪神<イリス>覚醒』において、謎の人物・倉田真也が「マナ」(地球を一つの生きた有機体と考えるガイア思想から求められるエネルギー的なもの)を介した説明をしており、本書でもそれが紹介されている(P111)。

4 ガメラの出自に関する仮説(P113)

ギャオスの単為生殖については既に書いたが、ガメラについては生殖の話は出てこない。だいぶ以前の話になるが、『ガメラⅢ 邪神<イリス>覚醒』の封切前のTV宣伝番組において、爆笑問題の太田がガメラについて「オンナ好きだねぇ、カメだけにね」とガメラの性を喝破したが、本書は学者の書いた考察なので、さすがにこうは書いてない。しかし、言っていることは太田とそう大差ない。平成ガメラシリーズでは、草薙浅黄が、巫女としてガメラと交感し、極限状態にあるガメラを支え、女殺人鬼(何しろ人を食らう)であるギャオスに立ち向かう。

5 セミ人間(P228)

筆者はウルトラ怪獣ウルトラシリーズに登場した怪獣の総称)の中で、セミ人間を最も気に入っているという。僕もこれはよくわかる。最近でもNHKBSで4Kリマスター版が放送された。セミ人間は、チルソニア遊星から巨大ロボット・ガラモンを操り、地球を侵略しようとするが、失敗し、母船から発射された熱線で焼き殺されるのだが、この頭部がセミの形をしているのだ。実は子供が生まれたとき「稀に、セミから本当に人間が生まれて、それがセミ人間だ」というような悪い冗談を繰り返しして、子がなつかなくなった。いや、それでも誰かに話さないではいられなくなるくらい、印象深いのだ、セミ人間は。

ところで、本書のP232には、「皆さんよくご存じの通り、チルソニア星人は~バルタン星人の原型でもある」とあるが、これを「よくご存じ」の人はどれくらいいるだろう(まぁ、ファンなら知っている人も多いだろうが)。本書が求めている読者はこのレベルなので、やはり、それなりに知っている人向き、という感じと思う。

5 マタンゴ(P142)、宇宙大怪獣ドゴラ(P189)

この2つの進化形態学的側面も、第4章に詳述されているが、前者は僕も1回しか観ていないし、後者に至っては未見である。したがって、ここに書くことはない。しかしP194掲載のドゴラのポスターは、何回も見て、僕の頭の中にはすでに、相当凄い宇宙怪獣らしい、というイメージが刷り込まれて久しい。死ぬまでに一度は本編を観てみたいものだ。