Rocco's log ~プログレ好きの警備員 trader with 社労士~

社労士試験、投機関連(大阪金先物が中心)その他諸々。このブログのトレードに関する箇所は、僕の勝手な相場観を書いています。価格も僕の予測に過ぎません。内容の正確さに最善は尽くしていますが、一切の責任を負うものではありません。売買は必ずご自分の判断で行って下さい。また、記事中で氏名の敬称は原則として省略しています。ご了承ください。

『65歳で月収4万円。 年金をもらいながらちょこっと稼ぐコツ』(阿部 絢子 著  KADOKAWA 刊)読了。

僕はこの本を、必要性があって読んだ。いつぞやの本欄で、僕は、60歳を過ぎての収入を、①年金収入、②投機・投資収入、③就労収入の3つに分ける、ということを書いた。この考え方は基本的に今も変わっていないが、③について、もう少し情報が欲しかったからだ。

著者は1945年生まれの生活評論家だ。評論家と言っても、消費生活アドバイザーとしての長年の経験や、豊富な海外ホームステイ歴を背景にした提言だけに、説得力がある。ややくどいのは、歳のせいかな。

本書のスタンスは、これから高齢者ワールドに入って行こうとする人が、既に入っている人を参考にして、より充実した生き方ができるように、と言う所にある。

このような観点から、第1章「働く60代に聞いてみた」では、今の仕事をどのようにして探したか、具体的に著者がアンケートをとって聞いている。更に、働くシニアの実例が、月収と年金受給月額とともに掲載されており、参考になる。この辺は、もう少しサンプル数が多ければ、もっと良いな。

第2章「シニア向きの『ちょっと働く』職業はさまざま」では、シニア向けの仕事をどこで探すのか、について。本書では「東京しごとセンター」という公的機関などが紹介されているが、民間のサイトでもシニア向けのものは探せば見つかるだろう。

第3章「働きたいと思ったときに まず考えたいこと」では、年金だけでは生活を賄えなかった著者の実体験が出てくる。このとき著者を救ったのは昔取ったが、使ったことは一度もなかった「薬剤師」の資格だったらしい。資格というのは、取っておけば、思いもよらぬ場面で役に立つことがある、ということか。また本章では、働くことが好きな人は、傍(ハタ)を楽(ラク)にできる人(P78)や、「念願は人格を決定す。継続は力なり」(長い間思い願うこと。これすなわち力となる)(P81)、「若い人に使われる覚悟を持つ(P85)」のような印象的な記述がある。僕も過去のパート勤務で何度か「若い人に使われ」たことがあるが、ここ数年の僕のパート勤務の経験では、すべての職場で、年長者である僕に一定の敬意をもって接していただけたので、とても感謝している。

(第4勝は略)

第5章「仕事はどうやって見つける?」では、著者は「還暦になったとき、今後の人生をどうすべきか、人生の棚卸も含めて、自己分析をしておくべき」(P110)と言う。これは必要なことだろう。その上で、仕事を見つけるための、様々な情報収集のためのヒントが書いてある。ハロワやシルバー人材センターに出向くといった「足を運ぶ」ことの重要性の指摘も当然だが、友人や知人と言った情報網の活用を力説している所は、いかにも活動的な女性であり続けてきた著者らしい。僕は友人などを介して仕事に就いたことは、学生アルバイトの時代から通算しても、一度もない。全部自分で見つけたが、僕のようなケースの方が多いのではなかろうか。

第6章「仕事を得るにもコツが要る」は、具体的な採用試験対策が書かれている。履歴書の書き方や面接のポイントも、通り一遍の内容ではなく、参考になる。ただ、人事を長くやっていたものの立場から言うと、考えすぎ、と思うような箇所もあるが、それは人それぞれだろう。

第7章「楽しく老いるために 楽しく働く!」では、健康長寿時代の長い老後を過ごすための、いくつかのキーワードが掲げられている。例えば、教養=今日の用事(きょうよう)と教育=今日行くところ(きょういく)(P176)。「人との会話(P181)」「仲間(P183)」など。

しかし、老いるのも楽じゃなさそうだ。