Rocco's log ~プログレ好きの警備員 trader with 社労士~

社労士試験、投機関連(大阪金先物が中心)その他諸々。このブログのトレードに関する箇所は、僕の勝手な相場観を書いています。価格も僕の予測に過ぎません。内容の正確さに最善は尽くしていますが、一切の責任を負うものではありません。売買は必ずご自分の判断で行って下さい。また、記事中で氏名の敬称は原則として省略しています。ご了承ください。

『M.I.Q.』(原作 マスヤマコム 漫画 浅井信悟 全3巻 講談社 刊)読了。

面白かった。マンガコミックス全3巻。すぐ読めたが、実は本書も僕の部屋に積読されていたものだ。架空の高校を舞台に、生徒に株式トレーディングと起業について考え、実行させる内容だ。今で言うと、ドワンゴのやっているN高とかの感じに近いかも知れない。本作は2004年頃に週刊少年マガジンに連載されていた、とある。

日経平均はその前年、2003年の春に、7603円で、バブル崩壊後13年続いた下げ相場の当面の底を付けた。りそなの実質国有化の前後だったと思う。僕も当時の講義で、ここが底だろう、と言う話をしたが、その後株価はリーマンショックによって7000円を割れることになる。ま、それは後の話だが、本作は連載後にコミックス化され、本書の第3巻は2005年3月発行だ。この直後辺りから、2006年1月のライブドアショックの直前までは、まさに日本のデイトレードの最初の隆盛期、と言って良いんじゃないかな。特に2005年の後半は日経も急上昇した。個人的にはこの頃、毎週のように東名間を仕事で行き来しており、とても株のデイトレードなどしている暇はなかった(元々が商品畑の人間、と言うこともあるが)。でも、ヤフー株は持っていた。僕はこの株の大半を、2005年12月に売却しようと思っていた。しかしできなかったのだ。当時、ある事情で取引証券会社を変更し、株券を預け替えたのだ。ルールでは、預け替えから一定の期間(具体的な長さは忘れてしまったが、そんなに長期間ではなかった)、マネーロンダリング防止の観点から、預け入れた株を売却することが出来ないことになっていた。その期間中に、ライブドアショックと、それに続くマネックスショックが起こってしまったのだ。呆然と見ているしかなかったね。その後若干売却したものの、ヤフー(Zホールディングス)株は今でも持っている。僕の金融的なツキの無さは今までの本欄で度々書いてきた。9.11の数日前に、保持していた銀の買いポジションを全て解消してしまったことなど、、、。ま、こういうことが重なって、運やツキに左右されない、テクニカルの知識と技術を実戦で磨こうと考えるようになった。

それから、昔どこかで、本作への批判記事を目にしたことがある。曰く、トレードはこんな単純ではない、高校生にこの内容は早すぎる、とか。でも、そんなこと言ってるから、何でも揃ってはいるが希望だけはない、こんな国になっちゃったのよ。本書第2巻の最後の方で、和渕翁(登場人物の一人)が、これからの時代の読み書きそろばんは「英語、IT、マネーの知識」だと主人公の高校生らに語りかける場面がある。しかし、目下の我が国の最大問題である、人口急減については、作中で直接的な言及はない。仮に個人として豊かになっても(現在はむしろその逆だが)、国としての存在が人口急減により希薄化すれば、存立そのものが危うくなる(遅かれ早かれ)。手っ取り早い対策は移民の受入れだが、我が国はそういう政策は受け入れないだろう。中島みゆきに「人類が滅亡して、私とあなただけが残されたとしても、あなたは私を選ばない」と言うような詩の付いた曲があった(曲名は忘れた)。日本人とはこういう生き物なのかも知れないな。移民を受け入れるくらいなら、滅亡の方がまだまし、と(個人的な考えとは異なるが)。

話が逸れてしまった。本書では、1・2巻はデイトレード、3巻は起業についてがテーマになっている。連載時から数えると18年近く前の作品なので、デフレ状況の説明や有限会社の話など、今の社会経済状況と異なる部分もある。もちろん、暗号資産はまだ登場していない。そろそろ、今の時代状況を反映した新たなマネー教育アドベンチャー作品が出てきてくれないかな。