国論が2分している。ただ、新聞報道などを読んでいると、具体的な数値をあげて客観的に是非を論じている記事はほとんどない。要するに感情論で互いに相手をけなしあっているようにさえ見えるのが、この国らしいところだ。そんな中で、月刊ダイヤモンド(だったと思う)に、野口悠紀雄氏が明確な数字を上げて参加について否定的な意見を展開している。まぁ、数字の解釈というのは立場によっても違うだろう。また、安いコメが外国から入ってきても、日本人のジャポニカ米信仰は揺らがない、という人もいる。僕もこの件についてはいろいろな記事に目を通すようにしているが、要するに、よくわからない、判断材料が伴わない、というのが正直なところだ。
ところで「バフェットルール」という言葉を最近よく聞く。オバマの参謀でもある世界有数の大富豪、ウォーレンバフェット氏が、「自分の所得税率が自分の会社の社員の所得税率よりも低いのはおかしい。上げるべきだ」という主張である(米国も累進課税であるが、富裕層は株の配当やキャピタルゲインが相当額に上り、そちらの税率が低く抑えられているため、このような現象が生じるのだ)。しかし今の米国議会の力関係では、オバマが富裕層の優遇税制を是正しようとしても、ティーパーティを中心とする共和党の勢力が強いので成功しない。単純な連中が何かのはずみで力をつけるとろくなことはない、という良い例だ。ところで、バフェットほどではないにしても、日本にも大富豪はいるはずだ。そういう人たちから、「自分の所得税率を上げろ」という声を聞いたことはない。なんでもアメリカのマネをしたがるのに、こういうことはマネしないのかい。