今年の社労士試験に1回の受験で合格されたN西さんから、「試験勉強時に意識した内容について」という一文をいただいた。「コンピテンシー」という言葉を聞いたことがあるだろうか。「高い業績の実現につながる重大な職務行動特性であって、測定可能で観察可能なもの」というのがその定義だ(『人事・労務管理の新潮流』笹島芳雄著 労働法令協会)。つまり、社労士試験に1回の受験で合格するには、1回で合格した人の行動特性を分析し、自分なりに消化していけばいいのだ。その意味で下記の内容は非常に参考になる。
印刷、配布は極力したくなかったので、原文のままブログに掲載することにした。来年受験される人はぜひ一読して、モチベーションと受験技術のアップに繋げてください。
平成21年11月10日
試験勉強時に意識した内容について
1 講義を大切にする。
当然。
2 講義後、すぐに復習する。
毎回、帰りの電車の中で1時間復習した。頭の中でその日の講義を再現した。
3 制度趣旨の理解に努める。
丸暗記ではなく、理解してから覚える。丸暗記は忘れやすい、忘れたら思い出しにくい。しかし、理解してから 覚えれば忘れにくい、忘れても思い出しやすい。出題されるのは枝葉の部分なので、各法律の枝葉の部分にこだ わってしまうが、まずは木や森全体を理解するよう努める。枝葉の部分は試験日までに覚えればよい。
4 運用するのは役人。
所管官庁の役人になったつもりで考えれば、各法律の規定の制定理由が理解できる。どうしても理解できない場 合は、やむを得ず丸暗記する。後から理解できる。
5 細かいことにこだわり過ぎない。(こだわるのは当然だが、過ぎてはいけない。)
単なる試験勉強をしているだけであって、学問として探究しているわけではない。細かいところまで勉強する必 要はない。試験で点数が取れる程度に勉強すればよい。基本が大切。基本を繰り返す。基本を理解すれば、知ら ない選択肢でも推理可能。(ペンキ塗りと一緒。最初のうちは塗りムラがあっても気にしない。二度塗り、三度 塗りで綺麗になる。最初から細部にこだわってチマチマ塗ってる塗装屋さんを僕は知らない。)
6 手を広げ過ぎない。
時間が限られているので、効率的に勉強することを意識する。無駄なことはしない。講座以外のものに手を付け ない。みんなそんなに余裕あるの? 消化できているの?(オーダーバイキングは食べ終わってから追加するも の。食べ散らかすのはマナー違反。)
ちなみに、僕は選択式問題集と過去本試験問題集でさえ手を付けられなかった…。
7 視覚に訴える。
同じ規定、似ている規定は、表にしてまとめて覚える。自分で書くことが大切。どこが同じで、どこが異なるの かを意識する。そこが試験で問われる論点。
8 忘れるのは当たり前。
1回や2回で覚えられないのは当たり前。自分は天才ではない。すぐに忘れるのも当たり前。忘れたらまた覚え ればよい。何度でも繰り返す。そのうち記憶が定着する。(初めのうちは、穴の開いたバケツに水を溜めようと しているかのような空しさを感じる。しかし、ある時点からバケツの中に水が溜まっていくのを実感できる。)
9 試験勉強ができることを喜ぶ。
自分の健康状況や家族の不幸などで勉強をしたくてもできない人がたくさんいる。何の心配もなく勉強できる自 分は幸せだと感謝しなければいけない。謙虚な心、感謝の心が大切。間違っても、俺は受験生だ、大変なんだ、 という態度はとらない。