Rocco's log ~プログレ好きの警備員 trader with 社労士~

社労士試験、投機関連(大阪金先物が中心)その他諸々。このブログのトレードに関する箇所は、僕の勝手な相場観を書いています。価格も僕の予測に過ぎません。内容の正確さに最善は尽くしていますが、一切の責任を負うものではありません。売買は必ずご自分の判断で行って下さい。また、記事中で氏名の敬称は原則として省略しています。ご了承ください。

昨日、熱田の社労士会館で、

支部の研修がありました。テーマは今回施行された「被用者年金一元化法の概要」。概要とはいえ、共済年金の基礎知識がないと充分に理解できないのではないか、と思われる内容も含んでいました。講師の先生は、旧社保庁等での実務経験の長い方、ということで、実務上の問題点も踏まえて話されていました。僕も元々共済の人間なので、厚生年金に対する共済の優位性を知ってはいました。そして、両者間の差に関し合理的な説明は難しい、と思っていましたので、今回の改正は(時期は遅れましたが)良かったと思います。ちなみに、昨日の研修会で、9月以降僕が参加した研修会は9回になります(いちいちブログには書いてませんが)。現在、開業登録をしているわけではないので、研修参加の目的は、僕の知的好奇心を満たすこと、そして必要に応じ、受験講座で話す内容の肉付けにすることです。もっとも、研修のテーマは特殊なものも多く、どちらかと言えば前者の目的を満たすことの方が多いでしょうか。しかし、登録するだけでこれだけの情報が入手できるので「合格し、登録要件を満たしているが登録していない」という人は、僕からすると考えられません。
ところで、今年の社労士試験の合格率の話が昨日も出ました。しかし皆さん、合格率の低さばかりにとらわれすぎていませんか? 合格基準点が劇的に上がったわけではなく、補正(救済措置)が全く行われなかったわけでもありません。試験問題的には「中の上」という感じでしょうか。巷では高難度、という評価が多いですが、僕はそうは思いませんね。難問奇問の類は、毎年の試験で散見されるもので、今年それが際立って多いわけでもありません。出題形式から見ても、(数年前から出ている)個数問題の登場は難易度の上昇に寄与していますが、組合せ問題は(どちらかと言えば)難易度を下げる方向に寄与しているでしょう。むしろ問題は、度重なる法改正で、質量ともに各法のボリゥムが重くなっているにも拘らず、受験校や受験生の側が限られた時間の中で対処しなければならない、という点にあるのではないでしょうか。簡単に言うと、消化不良です。例を挙げて説明します。今年は選択式で4科目に補正が入りました。この補正が行われる状態、というのは、まず単純に問題そのものが難しかった場合。次に、問題はそれほど難しくないが、合格者数を調整するために補正を入れる、という考え方もあります。おそらく毎年、これらの要素が微妙に絡み合いながら、さらに、合格者数を何人にするか、も踏まえて補正が入るはずですが、問5(社一)問7(厚年)に補正が入るのは、単純に難易度だけを見た場合、ちょっと考えにくいです。近年の受験生レベルは、それほど低くありません。それなのにこの2問に補正が入ったということは、受験生に全体を俯瞰する余裕がなくなってきているのかな(特に問5)、という感覚を僕に抱かせます。フツーなら、目的や理念を記載した条文は暗記するくらい読み込むでしょ。
ところで、僕は、1,000人や2.6%に驚いたわけではありません。選択式の基準をこれだけ下げたにもかかわらず(全科目の半分に補正、最低点は21点。択一式は近年、補正はあまり入らないので例年通り)、1,051人しか合格しなかった、という事実に対して、です。しかしまぁ、僕にも責任のいったんはあるので、反省を踏まえ、次年度の講義をどのような方針で望むか、決めました。結論から言うと、上級クラスはよりオタクっぽい、矮小な話をニコニコしながら話すことが増えると思います。もともと僕はこういう話が大好きなのですが、近年は講義の延長に対するお叱りもあって、これでも若干控えめにしておりました。しかし今回、このような理由で話さなかったところから、何箇所か出てしまいましたので、僕としても放っておけなくなりました。思えば、日本マンパワーで仕事をしていた頃は、夜クラスの定時が21時なのに、講義の終了が22時を過ぎることもちらほら。そのあと近くのピザ屋さんで質疑応答、というときも(何度も)ありました。大原の人が聞けば卒倒しかねません。まぁ、ここまではしませんが、話さなけれないけないな、と思うところは時間を気にせず話すことにします(今回、上級は朝クラスだけなので、多少、時間的に余裕がある受験生かな、と思うので)。
問題は速修クラスです。毎年最初の講義時に、受験経験のない人の挙手を求めますが、1/3程はいらっしゃいます。試験に初学用も上級用もないので、近年の傾向を考慮すると、速修も上級と同じレベルの理解度は必要です。こちらは開講がちょっと先なのでこれから考えますが、今年は自分なりに納得いく話は出来ました。ただ、どうしてもレベルを初学者に合わせざるを得ません。日曜なので大幅な延長もできません。一例ですが、素材は基本的に上級と同じものをお渡しするにしても、僕が「匂いが弱い」と判断したものは、講義ではなく、このブログに譲るとか。要するに匂うものは講義で話し、あまり匂わないものはブログで、という感じかな。「匂う」という言葉は講義でよく使ったでしょ。あれです。
それからこれは自慢になってしまいますが、僕は今まで、テキスト未掲載論点の出題を数多く的中させてきています。直ぐに思いつくものだけでも、、、
・OJT OffJTの長所と短所
・通勤災害の認定事例(全く同じ事例が出た)
・脱退一時金の金額(確定拠出年金法
・企画業務型裁量労働における、当分の間、6箇月に1回の報告経過規定
・本来水準と特例水準の差異
・労働契約法における適用除外者
そして今回の「特例基準割合が絡む延滞金割合の特例」(健保法)。
これら全て、当時のテキスト未掲載論点を講義で話し、次の本試験で出題された事例です。他にも幾つかありますが、面倒なので書きませんでした。
ここでちょっと、テキストについて触れておきます。大原のテキストは保守的です。このことはブログや講義で何度も話してきました。これはどういうことかというと、出来が安定的であり、安心して勉強できるということです。物事を成し遂げるときに望ましいスタンス、があります。それは「真ん中より右側に立ち、気持ちは左の方向に向ける」というものです。知らなかった人は肝に銘じてください。これは政治的スタンスについての言葉ですが、僕が思うに世の中の多くのことに当てはまります。大原のテキストも保守的なスタンスを取りながら、毎年どこかが改良されています。僕もこの安定的な素材を安心して使うことで、その延長線上に上記のような予測を取入れることが出来るわけです。常に「俺が出題者だったら、ここをきく、或いはこういうききかたをする」というように。そして「ここ」に入る内容がテキストを半歩進めた論点だったわけです。したがって、僕の話を理解するには、基礎になるテキストの理解が前提になります。その上で「匂う」ところを話すわけです。
また、僕の講義では「匂う」以外に「テキスト執筆者はそう考える。しかし出題者が同じように考えるか、はわかりません」というフレーズも多用しました。これは、執筆者がある論点を「参考」扱いにした、あるいは外したからといって、出題者も同様に考えるかは分からない、ということです。このように僕は、安定的なテキスト、という強固な地盤を基礎にして、その上に「自分の感覚」を重ねることによって講義を進めています。皆さんもテキストや講義を「批判的に」受け止めてください(100%受身になっての勉強でなく、自分の感度を研ぎ澄ませろ、ということ)。


そうそう、上級・土曜クラスで合格者が出ました。Kさん、おめでとうございます! 僕としても、質問対応した甲斐がありました。このクラスは10人くらいしか出席者がいなかったので、Kさんだけで、全国平均の約4倍です!?
Oさんから、「残念会」(いや、これは名前がよくないので「忘年会」にしましょう)の提案がありました。詳しくは本ブログに書きます。
ではまた。


ひとつ忘れてました。来年受験を目指す人は、8月24日〜11月2日まで書いていた本試験の検証を熟読してください。来年受験用の問題集も書店に並び始めましたが、この検証では、そういうものとは一味違った感覚で書いています。