Rocco's log ~プログレ好きの警備員 trader with 社労士~

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ムーディ・ブルース『LIVE IN CHICAGO 1981』を聴く。

ムーディーズは1972年以降、50年近く聴き続けているが、この時期のライブ映像は一度しか観たことが無い。それは、画質、音質共に悪く、さすがに、二度聴こうという気にはならなかった。

しかし、今回の素材は違った。時期的にも『ボイジャー~天海冥』で二度目の全米アルバムチャートNo.1獲得の直後ということもあり、バンドの演奏自体も自信に満ち、活気に溢れているように聴こえる。

注目はやはり、キーボード奏者で、元イエスのパトリック・モラーツだろう。前任のメロトロンプレーヤー、マイク・ピンダーとのキャラの違いは明らか。哲学的で淀んだピンダーのメロトロンに対し、モラーツは一言で言うと、派手。バンドに与えた活力は明らかだったし、ムーディーズの音に、これまでなかった新しい要素を吹き込んだ。

本作の選曲は、「神秘な世界」「ジプシー」「サテンの夜」「ティモシー・リアリー」「クエスチョン」等といったピンダー在籍時の名曲群に加え、過渡期のアルバム『オクターブ(新世界の曙)』より「スライドゾーン」「流木が漂うように」。そして、この時点の新作である前記『ボイジャー』より「魂の叫び」「ジェミニ・ドリーム」。

初めて「ジェミニ・ドリーム」を聴いた時の感動は今でも忘れられない。仮死状態にあった大好きなロックバンドが、突如復活した。しかも、パワー・アップして、という感じ。今回はこの曲がオープニングを飾っている。

彼らのライヴとしては、70年のワイト島と90年代のレッドロックスでのライヴの間を埋めるピースとして、モラーツ在籍時の音源が加わったことで、ライヴ録音でムーディーズの音の変遷を楽しめるようになった。

僕は、イエスの「危機」についてウェイクマン在籍時、モラーツ在籍時両バージョンのDVDを持っているが、本作のおかげでムーディーズについても「サテンの夜」等の曲群について、ピンダー在籍時、モラーツ在籍時両方のサウンドを聴き比べて楽しむことができるようになった。

それにしてもジャケット写真(81年のライヴ当時のものだろう)に納まっている5人のメンバーの中で、レイ・トーマス(フルート)、グレアム・エッジ(ドラムス)の二人は鬼籍に入ってしまった。昔の音源を聴けるのは嬉しいが、寂しさと時の流れを感じるな。