Rocco's log ~プログレ好きの警備員 trader with 社労士~

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『ミック・ジャガー ワイルド・ライフ』(クリストファー・アンダーセン著 ヤマハ・ミュージックメディア刊)読了

チャーリーの参加から50年になる2013年に発刊された、ミックの半生を記録した伝記。以前読後感を書いた『不道徳ロック講座』でも、ミックに多くのページが割かれていたが、「本当のところはどうなの?」という気持ちもあり、この二段組350ページの大著を読んだ。

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裕福なミックと労働者階級のキース、対照的な少年時代を過ごした二人が意気投合したのは1961年12月のある朝のこと。ミックが持っていたチャック・ベリーのアルバムにキースが反応したのだ(P39~40)。ここから、長きにわたる二人の愛憎ともいえる関係が始まる。ブライアン・ジョーンズによる「ローリング・ストーンズ命名のいきさつも語られる(P44)。また、ミックの独特の声の誕生のきっかけとなった、バスケットボール中の事故(舌を切って、その断片を呑み込んでしまう)のこと(P35)ももちろん記述がある。

しかし、中心になるのはもちろん、ミックの女性(両性)遍歴だ。本書の大半はそのことに関する記述と言って良い。とにかく数が多すぎて変化も頻繁、ミックとの関係性を確認するのにいちいち他のページを探さねばならなかった。「一夫一婦制は自分には合わない」と言っているが、読んでいて、ミックは一夫一婦制に挑戦状を叩きつけているのではないか、とさえ思ったね。数が多すぎるので、一人に絞ろう。カーラ・ブルーニ。彼女はクラプトンと交際していた。それをミックが寝取り、くっついたり離れたりを繰り返した後、フランス大統領のニコラ・サルコジと結婚するのだが、その前にあのドナルド・トランプとも交際していた(P237他)。こうなってくると、一ロックファンとしてはもう、よくわからないね。

とにかく、一般人にはよくわからない、そういうことが随所に出てくるのが本書だ。ストーンズファンでなければ読破は難しいだろう。僕は本書を1/14に図書館で借りたのだが、先番予約者が誰もいなかったため、直ぐに借りることができた。しかし期限までに読了が難しかったので、返却期限の延長を試みたが、これもすぐにできた(要するに貸出予約者も誰もいなかった)。ビートルズは聴くがストーンズは聴かない、という人も多かろう。「レノン=マッカートニー」と「ジャガー=リチャーズ」を比べるのは後者に酷だ。しかしストーンズがいなければ、騒然とした60年代の代表曲としての「ギミー・シェルター」や「サティスファクション」もなかったし、90年代のIT革命の伴走曲として「スタート・ミー・アップ」や「シーズ・ア・レインボー」を聴くこともなかったのは事実。

これらの曲の中心にいたミック・ジャガーという人物を知るには(ちょっと分厚いが)最適の書、ということになるだろう。