ウォークマンを使っていたら、受講生の女性から「何を聴かれているんですか」と言われました。
僕:「キング・クリムゾンです」
受講生:「きんぐくりむぞん?」
僕:「イギリスのロックバンド。ちょっと喧しいです」(実は相当喧しい)
受講生:「昔のグループですか?」
僕:「今聴いてるのは、1974年のアメリカ公演のライブです」
受講生:「すごい、私が生まれるより前だ」
僕:「そのようですね。何せ、ロックじじぃですから、僕は」
今年は2月までELPのタルカスをライブとスタジオ録音交互に聴いていましたが、2月下旬からはずっとクリムゾンです。70年代以降00年代までの色々なライブ音源を聴き比べています。
最近、往年のロックミュージシャンがよく来日しますね。ストーンズ、ポール、ディラン、ボストン、イエス、等々。しかもロックバンドが来日するときは、ほぼ全盛期のメンバーで来日、ということが多いですね。今回のイエスもそうです。
ところで、イエス、クリムゾン、そして僕の好きなムーディ・ブルースなどは、プログレッシブロック(プログレ)と呼ばれていますが、この範疇に属するバンドは、一般的に、きっちりアレンジされた楽曲をライブでもやります。つまり、スタジオ録音とほとんど同じ楽曲構成をライブで再現します。それはそれで凄いことですし、観衆はすでにCDを聴いて知っている曲を聴きたいわけなので、それで満足するわけです。しかし、ある意味それではライブもCDも同じ、ということになり、ライブならではの興奮が味わえません。クリムゾンは即興演奏(インプロヴィゼイション=インプロ)とアレンジされた楽曲の割合が半々くらいでしょうか。僕の知っているほかのロックバンドに比べて、即興演奏の割合が格段に高いです。だから同じ曲でもコンサートの時期や会場によって演奏が異なり、時には同じ曲のはずが全く異なる曲に聴こえるときすらあります。
もう一つ、この時期のクリムゾンの特徴は、デビッド・クロスとロバート・フリップによるツイン・メロトロンです。僕は80年代のクリムゾンのライブに行ったことがありますが、演奏スタイルは70年代とはかなり変わっていました。出来れば、クロス、フリップ、ウェットン、ブラッフォードという黄金期のメンバーで来日して欲しいなぁ。無理なことはわかっていますが、、、。