キー・パーソンの一人であった、ジョン・ウェットンが死亡しました。享年67。がんの闘病中だったようです。しかし去年のボウイの死から、ここ1年ほどの間に、英国のアートロック、プログレッシブロック系のミュージシャンはよく亡くなるなぁ、しかも六十代後半から70代前半という年齢で。全く寂しい限りです。
クリムゾンは第1期のボーカルは、グレッグ・レイク(この人も昨年死亡)、ボズ・バレル(この人も2006年に60歳で逝去)と、繊細な声の持ち主を起用していたが、第2期の最初のアルバム『太陽と戦慄』でのウェットンの声を聴いて、その野性味あふれる声質に驚いた覚えがあります。当時はビートルズ解散直後で、レッド・ツェッペリンやディープ・パープルの全盛期です。どこかで書きましたが、僕はこれらのハードロックバンドに、当時はなじめなかった。とにかくこのアルバムは、今まで聴いたことのない音楽でした。簡単に言うと、即興演奏が5割、イエスのようなきっちりアレンジされた音楽が5割、と言う感じです(まぁ、聴いてみるのが一番早い)。1973年。丁度、ピンクフロイドの『狂気』と同じ年の発表です。『狂気』は大ベストセラーになりましたが、個人的には『太陽と戦慄』ほど聴きこんだ記憶はありません。この作品のベースとボーカルがウェットンでした。その後、96年にスティーブハケットの来日時に、サポートメンバーとして来日。最後にステージを観たのは、2013年に川崎のクラブチッタで、エディージョブソンのデビュー40周年記念講演のサポートとして来日したときです。この時のDVDを観ると、ウエットンはかなり太ったな、という印象で、最初は見つけるのに苦労しました。
ミュージシャンは亡くなっても、残した作品は永遠です。
安らかに眠ってください。