Rocco's log ~プログレ好きの警備員 trader with 社労士~

社労士試験、投機関連(大阪金先物が中心)その他諸々。このブログのトレードに関する箇所は、僕の勝手な相場観を書いています。価格も僕の予測に過ぎません。内容の正確さに最善は尽くしていますが、一切の責任を負うものではありません。売買は必ずご自分の判断で行って下さい。また、記事中で氏名の敬称は原則として省略しています。ご了承ください。

『交通誘導員ヨレヨレ日記』(柏 耕一著 三五館シンシャ刊)読了。(その1)

様々な職業の日常風景を日記風に紹介した「職業日記シリーズ」の中で最初に刊行されたのが本書のようだ。その後、『コールセンターもしもし日記』『住宅営業マンぺこぺこ日記』などが出て、書店によってはコーナーもできるほどらしい。僕も近くの書店に行って探してみたが、同シリーズ(もう10は超えているんじゃないかな)は完備されていた。

ところで、交通誘導員、と言うのは、警備業法で言う所の「2号業務」に該当する。僕がこの本を読んだのは、現在アルバイトで「1号業務(施設警備)」に就いているからだ。ちなみに3号業務は現金や貴重品の運搬、4号業務は身辺警護である(警備業法2条 本書P2)。

本書は非常に読みやすい。文章もうまいし、必要な注釈は本文下に簡潔に掲載してある。著者の柏は出版業界で40年飯を食ってきたプロの出版人だ。自著もあるしゴーストライター歴も長い(P199)。「10年ほど前はダイエット本のヒットで大きな額の印税が入ったが、その後は坂道を転げ落ちるように仕事は激減、収入も良い時の1/10、1/20」と言う感じになり、自分で持っていた編集プロダクションは清算、その後断続的に警備の仕事をやるようになったらしい(P188~190)。

本書には、著者が経験した様々な警備の現場が生き生きと描かれている。色々なタイプの人が出てくるので、詳細は読んでもらうしかないのだが、年齢は、ほとんどが高齢者、後期高齢者になろうとする人も多く登場する。ちなみに今の僕の施設警備の職場も、僕を含めて3人で回しているが、僕が一番年下である。

ところで、著者が読者に対し「恐れるのは『交通誘導員はすごく大変そう』と片寄った印象を持つこと」だという(P205)。確かに著者が言うように「仕事はなんでも大変」なのだろうが、正直僕は、1号警備で良かったな、と思った。2号警備はやりたくないし、出来ないな。著者は警備の仕事を「『最底辺の職業(P4)』と警備員が自嘲する~」と書くが、読んでわかる通り、この仕事をこなすには、コミュニケーション能力や交通法規に対する知識も必要だと思う。そういう点でも、誰でも簡単にできる仕事ではないと思うが、現場では、著者から見て問題のある(と思われる)警備員も働いている。だが「そういう警備員でも、会社は彼らを辞めさせることはない。~10人必要なら10人そろえることが会社の力量であり信用なのだ(P185)」。

 

長くなったので、僕が1号警備の仕事をすることになったいきさつは、またの機会に書く(と言っても、書くほどの理由があるわけでもない)。とにかくこの職業日記シリーズは面白そうだ。しばらくはこのシリーズを中心に読んで行くかもしれないな。