Rocco's log ~プログレ好きの警備員 trader with 社労士~

社労士試験、投機関連(大阪金先物が中心)その他諸々。このブログのトレードに関する箇所は、僕の勝手な相場観を書いています。価格も僕の予測に過ぎません。内容の正確さに最善は尽くしていますが、一切の責任を負うものではありません。売買は必ずご自分の判断で行って下さい。また、記事中で氏名の敬称は原則として省略しています。ご了承ください。

03/12 大阪金ミニ先物 +27.5円 『ザイム真理教』(森永卓郎 著 三五館シンシャ 刊)読了 

1   03/11  21:28  10283.75B  →  03/11  22:37  10297.5S     +   13.75  ×2

この日の取引はこれだけ。よく見るテクニカルでは買を示すものが多かったが、もう少し早くからきちんと見ていれば、もっと良いポジションを保持できたとは思う。価格はその後5分足長期線に絡む形となり、若干押し戻されたが、幸い、ボリンジャーの-1σで踏みとどまり、再度上昇に転じた。この再上昇の8割程を獲れただろうか。まぁ上手く行ったデイトレ

価格はその後、23時に入った直後にいったん急落している。この日は目立った指標発表は無かったので、誰かが何かを言ったか?

 

 

『ザイム真理教』を読んだ。モリタクは多作家であり、著書も相当数にのぼる。その中で読んだのは数作に過ぎないが、本作も分かり易い良書だった。確か本人はどこかで「本作を発表した後、テレビへの出演依頼がかなり減った」的なことを語っていたが、本書を読むとそれも納得だ。我が国の財務政策に正面から反対している本だからな。当初は本書の出版を引き受けてくれる出版社が見当たらずに往生したという(P189~あとがき)。しかもその理由は、原稿のここがマズい、というレベルの話ではなく「そもそも、このテーマの本を出すことができない」という理由からだった。この話を読んだだけで本書を読む価値があると思わないか? 

財政均衡主義」「消費増税」というザイム真理教の教義に対するモリタクの反論とその根拠になった自身の経験(それにしても、「総突合(P18)」などという儀式、まさか今でもあるなんてことは無いよな)が分かり易く書かれている。

自分のようなジジィ世代ではなく、若い世代に読んでもらいたい。特に3章(P53~)では、「財務省の思想や行動が、反社会的なカルト」であることの検証がされている。「カルト」という言葉を使うのは本書の書名からしてもやむを得ないところもあろうが、だからと言っていい加減なことを書いているわけではない。よく言われる「国民一人当たり800万円超の借金」というのも、P56~を読めばカラクリがわかり、「こんなに売れる資産があるじゃないか」と怒りがこみ上げてくるだろう。

5章(P121~)では我が国の重税国家ぶりが国際比較の元で語られる。よく、欧州大陸諸国の国民負担率は我が国よりも高い、と言われるが、サービスもそれに見合ったものになっている。特に公的分野からの教育支出は、我が国は群を抜いて低い(P128)。

6章では厚遇される国家公務員の実体が具体的に書かれる。そういえば僕の友人、知人にも公務員が複数いるが、別荘を持っている奴も何人かいる(改まって訊いたことは無いが)。また、本章で展開される政府の少子化対策への批判は腑に落ちるものがある(P145~)。本書によると、今でも、結婚した男女間には2人に近い子供が生まれている。今の深刻な少子化は、結婚しないのではなく、経済的に結婚出来ないところからきている、という主張だ。したがって、モリタクの考える少子化対策は、最低賃金の大幅引上げや同一労働同一賃金の徹底という、低所得者の収入底上げであり、ベビーシッター利用者支援や出産育児一時金の増額などではない。

7章では、ザイム真理教のサポーターとしての富裕層、大手マスメディア、親衛隊としての国税庁について書いてある。細かくは書かないが、消費税をほとんど負担していない富裕層の実体など、驚くべき記載がある(P164~6)。

記載内容が具体的で分かり易いのは、この人の良い点だ。現在モリタクは、がんで闘病中。相当重いらしい。こういう人には生きて、もっと活躍してもらわなければ。奇跡の復活を願っている。