Rocco's log ~プログレ好きの警備員 trader with 社労士~

社労士試験、投機関連(大阪金先物が中心)その他諸々。このブログのトレードに関する箇所は、僕の勝手な相場観を書いています。価格も僕の予測に過ぎません。内容の正確さに最善は尽くしていますが、一切の責任を負うものではありません。売買は必ずご自分の判断で行って下さい。また、記事中で氏名の敬称は原則として省略しています。ご了承ください。

「株で儲ける! 損切の一番やさしい教科書」(技術評論社刊)読了。

著者は「テクニカル分析研究会」とある。一般論として、これでは著者個人の顔が見えない。ビジネス書などに比較的見られるが、例えば「21世紀ビジネス研究会」とか「グループネクスト」とか、とにかくこのような著者表記は怪しい。しかし本書は、その横を見ると「監修 戸松信博」と書いてある。僕は著者との面識はないが、おそらく、戸松氏のお弟子さんかお仲間の人が実際の原稿(どの程度かはわからないが)を書き、戸松氏が最終チェックをしたのだろう。巻末近くには、同氏の経歴も詳しく載っている。これなら安心だ。 

本書の「はじめに」にも書かれているが、損切りに的を絞った本は珍しい。本書を読めば、損切りはなぜ必要なのか、とか、損切りポイントをどこに置くか、などに関する知識が、一通りは身につく。

ここから先は僕の個人的な感覚なのだが、損切りは「どのようにするか」よりも「するかしないか」が重要だと思う。トレードの実戦で損失が発生し、切るか切らないか、というときに、「本書の何ページに書いてあったかな」と、いちいち調べている余裕は、多分ない。僕のような短期売買の場合はなお更だ。

短期売買の場合、口座資金の減少の度合いをよく見る。例えば、一度の損失によって、口座資金が数日前の状態に戻ってしまう程度であれば、何とか許容できるが、一か月前の状態にまで戻ってしまったらどうだろう。これを許容するのはなかなか難しい。だから、相場が逆行したとき、売買技術やテクニカルの知識や経験などを総動員して対処するが、それによってこのトレードに勝てなくても、負けが少しでも小さくなれば良い、という感覚は忘れないようにしている。こういう局面では、あまりにも勝ちにこだわりすぎると、かえって墓穴を掘ることが多い。これは経験則だ。

したがって、短期相場で損失を抱えた場合、1~2度は抵抗を試みる。それが上手くいって利益に変われば申し分ないが、そうならなくても、多少損失が減少したところで負け戦を認め、撤退する(その抵抗によって、損失が逆に拡大しそうなら、より早く切る)。そんなところか。

もっとも、本書で解説の対象にしているのは、主に現物株の中長期投資だ。だから、短期的には業績の悪化によって損切った方が良い局面でも、中長期で見て利益成長が見込めるなら、損切りしない選択肢もある、ということも紹介されている。

本書によって、僕の実戦での損切りが変化することはないと思うが、短期と中長期とでは、スタイルがかなり異なるので、それは仕方ないことなのだろうな。