Rocco's log ~プログレ好きの警備員 trader with 社労士~

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『本当は怖い洋楽ヒットソング』2

太田利之氏が著した本書の中から、僕にとってなじみのある曲を前回から紹介しているが、今回は「2 戦争・圧政」の章。本書では6曲取り上げられているが、ここでは、ペーパー・レースの『悲しみのヒーロー(Billy Don`t Be A Hero)』を取り上げたい。

不勉強だが、僕は本書を読むまで、この曲は、ボー・ドナルドソン&ヘイウッズのバージョンしか知らず、曲もヘイウッズのオリジナルだと思っていた。ところが、オリジナルはペーパー・レースの方で、本国の英国チャートには1973年2月にチャートインし、3月16日から3週にわたって1位を獲得している。調べてみると、このバージョンは同年4月27日に米国でもチャートインしているが、これより1週間早い4月20日に、ヘイウッズのバージョンがチャートインしている。この1週間の差が最後まで尾を引いたのか、米国ではヘイウッズのバージョンがチャートの1位を獲得。ペーパー・レースの方は下位に甘んじた。

良い機会なので、僕は両方のバージョンを聴き比べてみた。ヘイウッズの方は前から知ってはいたが、実際に歌っている彼らを見るのは今回が初めてだ。

曲の好き嫌いは人それぞれだろうが、結論から言うと、僕の場合はペーパー・レースのオリジナルの方がずっと気に入った。ヘイウッズは何と言うか、オズモンズみたいな感じだな。演奏やサビの部分のハモリも、ペーパー・レースの方が僕にはよく聴こえたな。そうそう、ヘイウッズは他に動画があるかな、と思って探してみると、何と夏のビーチで、ギルバート・オサリバンの『ゲット・ダウン』やディープ・パープルの『スモーク・オン・ザ・ウォーター』を歌っているビデオを見つけた。軽いノリが身上のグループだな。これはこれで悪くないか。

歌詞の方だが、1973年という時代から、ベトナム戦争を想起させる。

戦場に赴くビリーを見送る、若く美しいフィアンセ。彼女は「ビリー、英雄になどならないで。人生を棒に振ることなんてないわ」「無事に帰って、私をお嫁さんにして」と願う。

暫くののち「彼女は手紙を受け取った。そこには、ビリーがその日、どのようにして亡くなったのかが書かれていた。彼はヒーローだということも」

「彼女は、その手紙を投げ捨てた、と僕は聞いた」

最後でわかるように、この歌詞は「聞き語り」の形をとっている。これにより、聴く者の悲しみは、より増幅される。素晴らしい歌詞だと思う。

本書には、愛する人を戦に行かせたくない、という女性の心理は、時代や地域を超えて普遍的なものなのかも知れない(P98)、とあるが、同感だ。

1973年からもうだいぶ経つが、世界は未だ戦争が絶えない。しかし、メルケル、アーダーン、蔡英文など、優れた女性リーダーも出てきている。こういう世の中の流れを見ていると、国を率いるのは女性の方が上手くいくのではないか、とも思えてしまうな(多分、そうなのだろう)。