本書は2000年7~12月にかけて行われた、日本で(おそらく)初めての、リアルマネーによる先物取引のコンペ「第1回ロビンス-タイコム先物チャンピオンシップ」の優勝者(フェアリー氏)と準優勝者(炭谷道孝氏)の取引を詳細に記録した本だ。半年間の彼らのパフォーマンスは驚異的で、フェアリー氏は50万円の種銭を550万円に、炭谷氏は200万円を1330万円に増やした。
でも、本書はいま、絶版にはなっていないと思うが、大きな書店にもまずない。商品先物が見る影もなく細っているからだ。僕も、本書に触発されて、一度チャンピオンシップに参加したことがある。でも、このとき用意した50万円は、上の子の教育資金として用意したもの。これを元手に増やしてやろう、などという山師根性丸出しだったものだから、上手くいくはずもない。当初一時期、トップに立ったものの、ずるずると損失を重ね、結局収益率2%弱くらいでリタイアしてしまった。コンペに参加して資金を増やし、その収益で子供の教育資金を賄うなど、甘っちょろい考えだったね。
2009年にチャンピオンシップを主宰していたタイコム証券は破産。その後、TOCOMが同趣旨のコンペを何回か開催したが、それも大証との統合によりなくなり、現在、商品先物を対象にしたコンペは存在しないと思う(FXなどは開催している団体があるらしいが)。こういうものは、米国のように「育てていく」のが重要だと思うのだがな。
ところで、僕の持っている本には、2006年6月10日に、当時のタイコム証券名古屋支店で開催されたセミナーに参加したときに、炭谷さんからもらったサインがある。このとき炭谷さんは「こいつはフェアリーさんのサインももらいたいのだろう」と思われたのか、ページの左半分にサインをして下さった。でも、その後今に至るまで、フェアリーさんに会うことはないので、ページの右側は空白のままである。