Rocco's log ~プログレ好きの警備員 trader with 社労士~

社労士試験、投機関連(大阪金先物が中心)その他諸々。このブログのトレードに関する箇所は、僕の勝手な相場観を書いています。価格も僕の予測に過ぎません。内容の正確さに最善は尽くしていますが、一切の責任を負うものではありません。売買は必ずご自分の判断で行って下さい。また、記事中で氏名の敬称は原則として省略しています。ご了承ください。

二人の死について書く。

まず、村田兆治。一度見たら忘れない、個性的な投球フォームだった。村田は暴投の日本記録保持者だ(プロ通算148。ちなみに2位は石井一久115。かなりの差だ)。これだけを見ても、決して手を抜かない、全力投球のイメージである。江川とはかなりイメージが異なる(江川は歴代暴投30傑には、もちろん入っていない)。

それから、村田でもう一つ有名なのは、始球式での投球だろう。60歳を過ぎても140キロ近い速球を投げていた。僕が高校の頃、友人と球速を計ったことがあった(そういう場所があったのだ)が、目いっぱい投げて90キロも行かなかった記憶がある。そういう経験があるだけに、60歳で140キロなんて、ありえない数字に思えた。

でも、別の一面では、年相応というか、時代(自分の年齢)の変化への適応、と言う点でどうだったのかな、と言う疑問もわく。これに加えて例の羽田空港での事件が追い打ちをかけたのだろう。この件については現場に居合わせたわけではないので、何とも言えないが。ま、悲しいかな、現代社会は、状況によっては、ちょっと体を押しただけでも暴行になってしまう局面があるのだ。特に、今回は場所が場所だけに、なお更だろう。

もしこのことが今回の出火の契機になっているとすれば、自ら、と言うことになるが、本当のところはわからないな。

それにしても、215勝を挙げ、名球会入りもした大投手の最後としては悲しすぎる。

 

そして、大森一樹。忘れられない作品を幾つも残してくれた。なかでも、

ヒポクラテスたち

風の歌を聴け

ゴジラVSビオランテ

ゴジラVSキングギドラ

この4本は、僕にとって、これからも度々観たくなる作品だ。

1  は、医学生の青春群像。のちに自殺してしまう古尾谷雅人の飄々とした演技が魅力的だった。大森は医師免許を持つ珍しい映画監督だ。そういう意味で本作には結構思い入れもあったんだと思う。僕はトレーディングの途中で、よく本作のテーマ音楽を口笛で吹くんだよ。こういう時は大体、勝負に勝つときだな。

2  は、村上春樹作品の初の映画化だと思う(詳しく調べたわけではないが)。村上作品の映像化はその後、何本も作られている。僕も近作の『ドライブ・マイ・カー』などいくつか観ているが、その中では本作が間違いなくベストだ。大森は村上と同郷で、歳もあまり離れていない。その意味で、初期の村上作品の「理解度」は相当高いのではないか、と思う。キャスティングもこれ以上ない、と言うくらいピッタリ。前年に『ヒポクラテスたち』がキネ旬の3位を取っていたので、本作はそれと同等か、ひょっとして1位も、と言う感じでいたら、結果はベスト10にも入らなかった。その中で、今野雄二だけが1位票を入れていたっけ。僕はこの時、わかっているのは今野だけ、と思ったものだ(そういえば、今野も自殺したんだっけな)。

3,4 は、ともに見応えのあるゴジラ映画。怪獣映画と言うだけで毛嫌いする向きもあるが、先入観なしに、とにかく観てほしいな。特に 4 については「取るに足らぬ極東の小国」と言う、最近(あるいは近未来)の我が国のポジショニングを象徴するようなセリフが出てくる。確かに最近の我が国はこういった方向に進みつつあるが、本作は1991年(バブル崩壊直後)の作品だ。よくこの時期にこういう発言(セリフ)が出てきたものだ。しかし本作はそれだけに終わらない。未来の日本人から見た、現在の我が国国民に対する愛しき眼差しが感じられる作品に仕上がっている。

 

映画作家を追悼するには、作品を観るのが一番だと思う。

 

お二人のご冥福を祈ります。