問5の1Aについて。ネットでどこかのサイトを見ていたら「イギリス」として間違えた人の事が載っていました。僕も講義で「ビバリッジ報告」や「ゆりかごから墓場まで」の話は、クラスにもよるけどするのですが、ビスマルクのアメと鞭政策の事は近年話した覚えがありません。疾病保険制度は「アメ」として設けられたものです。東京校の常勤時代に、まだあの頃は比較的時間に余裕があったので、ここを話した記憶があるなぁ、と思いつつ、当時の講義ノートを今、辿ってみましたが、明確には見つけられませんでした。僕の記憶違いかもしれません。ちなみに「ゆりかごから〜」は、第2次世界大戦後に整備された英国の手厚い社会保障政策をさします。したがって明治16年という本文とは、時代が合いません。ところで、英国はこの政策の負の遺産として「英国病」を長く患うことになりますが、これを克服したのがサッチャー政権、というわけです(今回の試験とは無関係ですが)。Bのヒントは直後の「制定」。「施行」ではありません。関東大震災で、制定から施行まで間が空いてしまったことは、お話をしたこともあったかと。2については、文脈から、Cに入るのは金額の計算基礎になる者でなければなりません。3は標準的な問題。
難しいところですが、僕の感覚では本問の基準点は3点かな。
問6の1は、多くの受験生は何らかの語呂合わせなどの記憶法で覚えていたところではないでしょうか。ここはA〜C全て取りたい。2は適用徴収でなく、保険給付に関する設問なので、Dに大臣は入らないでしょ。
ここも5点満点を狙いたい。
問7の1では、1行目に「60歳台後半」と書いてあるのでホッとした受験生も多かったはず。低在老より高在老の方が単純だからね。A〜C全て取りたい。2ではEは簡単だったがDは苦戦した人もいたのではないかな。P249に明確に書いてあるとはいえ、こういう何でもない語句は、条文をきちんと読んでいないと入れにくい。
本問は、D以外で4点は確保したい。
問8の1は、やったと思った人も多かったのでは。横断まとめの講義で「共同連帯」の語が何処と何処と何処に出てくるかを確認しました。思い出してください。2は免除申請期間についての設問だが、講義では具体的な事例も話したところ。でも、出題が条文ベースで良かった。3の2か所は、いずれも覚えておくべき数字。
本問も当然、5点満点を確保したい。
こうしてみると、今年の選択式は、社保系科目の方が労働系よりもちょっと簡単だったかな。皆さんはどうだったでしょうか。
択一についてはまた後日。