Rocco's log ~プログレ好きの警備員 trader with 社労士~

社労士試験、投機関連(大阪金先物が中心)その他諸々。このブログのトレードに関する箇所は、僕の勝手な相場観を書いています。価格も僕の予測に過ぎません。内容の正確さに最善は尽くしていますが、一切の責任を負うものではありません。売買は必ずご自分の判断で行って下さい。また、記事中で氏名の敬称は原則として省略しています。ご了承ください。

『マンション管理員オロオロ日記』(南野苑生 著 三五館シンシャ 刊)読了

先日、今住んでいる地域の職業サポートセンター(ハロワみたいなもの)の女性担当者と話をしたことがある(後で知ったことだが、この人は70歳を過ぎているという。とてもそんな歳には見えなかった)。その時に、そのエリアで受付けている高齢者の求人一覧を見せてもらったが、「ご覧のように、清掃・警備員・マンション管理員、この3つがほとんどなのよ」と言ってらした。確かにマンション管理員の求人はたくさん載っていた。

本書を読んで、マンション管理員として長く務めるには、運の要素がかなりあるな、と思った。著者の南野夫妻は管理員歴13年。本書にはその中で経験した3つのマンション(「アーバンライフ京都」「グラン・サルーン江坂」「泉州レジデンス」)について、各々で生じた悲喜こもごもを書いている。

特に印象に残るのは2つ目の勤務先「グラン・サルーン江坂」。ここはわずか1年半の内に、南野を含めて8組の管理員が入替ったという(その中には、たった1日で辞めた人もいたようだ)。なかなか凄いな。その主な理由は、長期留任によるワンマン理事長・蟹江と、本来ならそれを制止すべき立場にいるはずのフロントマン(マンション管理会社に所属し、管理組合の活動をフォローする役割)・富田の癒着にある。この辺は第2章(P72~)に詳しいが、この章だけを読んで、この仕事に就きたい、と思う人はいないのではないか。

それに比べると「アーバンライフ京都」の章に出てくる社長の話(P150~)、「泉州レジデンス」での管理員に理解のある理事の話(P176~)、住民を巻き込んでの強力台風への対処(P191~)など、仕事のやりがいを書いている箇所ももちろんある。

それにしても、年金受給を当然の前提とするような管理員の低賃金(P4)と、小間使い同様に管理員に用事を頼む一部の区分所有者の思考回路(P12他)にはびっくりする。

僕も住込み管理員さんのいるマンションに7年半住んだ経験があるが、こう言う意識で管理員さんに接してはいなかったな(勝手な思い込みかも知れないが)。ま、人それぞれ、感じ方も人それぞれ、ということか。